「テクノロジーが支えるプリミティブな空間へ」 窪川勝哉(インテリア&プロップ スタイリスト)

IMAGE BY TAKESHI KAWANO

IMAGE BY TAKESHI KAWANO

これから人が暮らす空間はどう変化していくのでしょうか?その「未来」を想像するヒントは、わたしたちの「記憶」から浮かび上がってくるのかもしれません。

今回は、インテリア&プロップスタイリストとして活躍する窪川勝哉さんに、子どもの頃の家の記憶から、理想とする未来の家のイメージを伺いました。


ぼくの実家は、山梨にある現在築45年の一軒家なのですが、起毛した壁紙が貼られていたり、山小屋風の部屋があったり、暖炉風の造作がある部屋があったりと、いま見ても当時の家とは思えないちょっと変わった作りをしていていました。

また、当時からソーラーシステムが屋根にあり、太陽光でお湯が出るというのが子どもながらにスゴイと思った記憶があります。ちなみに、雨の日はお湯がぬるかったですが(笑)。

当時、子ども部屋として僕に与えられた部屋は元応接間。子ども部屋なのにシャンデリアや暖炉風の造作がありました。そのせいか、小さいときからシャンデリアを見え上げて寝ていたので、今でもシャンデリアを見ると落ち着くんです。

それと、音に反応して色が変わるイルミネーションのボックス(ステレオ付属のもの)を眺めたり、アンプの振れる針を眺めたり、いち早く導入していたコードレスの電話で内線通話したりするのが好きでした。

このときの経験は今にも繋がっていて、例えば当時のようなデコラティブなシャンデリアではないですが、今も家にシャンデリア風の照明があったり、また実際に当時の実家で使っていた照明と同じシリーズのものを今の自宅で使用していたりします。やはり見慣れた感じで落ち着くんですね。

それと、今のぼくの自宅のダイニングはカーペット敷きなのですが、実家が元々そうだったのでまったく違和感なくリノベーションしましたが、友人からよくダイニングなのにカーペット?と珍しがられます。

今から10年後には、ドームハウスを建てて、離れにエアストリーム(キャンピングカー)を置くような暮らしをしたいですね。スタイリストという職種のせいか、ゼロから家を設計するというより、あるものをアレンジして住むほうが向いているみたいです。もし家を建てるとしたらやはり実家に近い山梨エリアですかね。

ぼくが思う未来の空間とは、「テクノロジーが支えるプリミティブな空間」。

ドームハウスに大画面テレビは似合わないし、大型スピーカーは似合わないけど、必要なときには大画面が何かしらの方法で現れたり、空間全体に音楽が漂っていたり。それに、リモコンではなくモーションで色々なものが操作できたりしたらいいですね。エアコンにかわる画期的な空調や、煩雑なケーブル類を解決してくれるケーブルのない世界もいいな、と。

一見プリミティブな暮らしに見えるけど、隠れたところに暮らしやすいハイテク機能がある、そんな空間が理想です。

窪川 勝哉(くぼかわ・かつや)

インテリア&プロップスタイリスト

インテリアのみならずクラフトから家電までプロダクト全般に造詣が深い、男性には珍しいインテリアスタイリスト。雑誌やTVなどメディアでのスタイリングだけでなく、ウインドウディスプレイやマンションのモデルルーム、イベントのデコレーションなども手がける。2011年渡英。2013年より再び拠点を ロンドンから東京に移し活躍中。

http://ameblo.jp/kubokawakatsuya/